よくある質問
認知証の父の預金が引出せないのですが・・・
判断能力が不十分な状態になっても、安心して暮らせるように法的に支援する仕組みとして成年後見制度があります。
認知症などで判断が衰えた人は福祉サービスの契約をしたり財産の管理・処分を行うことはできませんので法定後見人を選任する必要がある場合があります。
認知症になられた方の銀行預金を引き出す場合には成年後見人を選任しなければならない場合があります。
ただし、一度、成年後見人を選任してしまうとご本人の判断能力が回復するか亡くなるまで成年後見人の業務は続きます。
裁判所等への報告等も必要となります。
成年後見人の選任をする必要があるのかどうかも含めて詳しくは一度ご相談下さい。
老後の財産管理の相談をしたいのですが・・・
自分が認知症になったときに、代わって介護、施設入居、財産管理など必要な判断をしてくれる人を予め決めておく契約を任意後見契約と言います。
支援してもらう内容と支援してもう人(任意後見人)を公正証書により契約で定めておくものです。
判断能力が衰えた時に、申立てにより家庭裁判所が後見人を監督する「任意後見監督人」を選任することで、後見人の業務が始まります。
老後の過ごし方の希望などを含め財産管理の方法を考えてから任意後見契約を結ぶのが望ましいので、詳しくは一度ご相談下さい。
「長期間相続登記等がされていないことの通知」とは一体何ですか?
土地の所有権の登記名義人(所有者)が亡くなられた後、相続人への名義変更(相続登記)がなされていないため、所有者が不明となっている土地が増え社会問題化しています。
この問題を解消するために、全国の法務局において、法(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法)に基づき、長期間(10年以上)にわたって相続登記が行われていない土地について、その土地の所有者の法定相続人を調査し、法定相続人の一覧図を法務局に備え置く作業が実施されました。
この作業が完了した土地について、登記簿に長期相続登記が未了である旨の付記登記を行い、調査で判明した法定相続人の内の任意の1名に対して、相続登記の促進を目的として表題の通知がなされています。
今すぐに相続登記をしなければいけませんか?
相続登記の義務化は、令和6年4月1日からスタートします。
相続登記の義務化により、正当な理由がないのに不動産の相続を知ってから3年以内に相続登記の申請をしないと10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続登記の義務化までまだ猶予はありますが、相続登記を放置すると新たな相続が発生するなど権利関係が複雑化し手続きが困難になるおそれがありますので、早めに相続登記を済ませることをおすすめします。
会社法によりこれまでと何が変わったのですか?
会社法では、有限会社の新設が廃止され、新たに合同会社の設立を認めています。
これにより、1) 株式会社、2) 合名会社、3) 合資会社、4) 合同会社の4種類の会社を設立することができます。なお、株式会社以外の会社を持分会社といいます。
最低資本金制度は廃止されたので、原則として資本金が1円以上であれば会社を設立することが可能となりました。
ただし、銀行からの融資や取引先からの信用等を考慮して、従来の資本金の額を目安に考えるのもいいのではないでしょうか?
定款ってなんですか?
定款とは、会社の目的・内部組織・活動に関する根本規則のことをいいます。
なお、株式会社を設立する際に作成する定款は公証人の認証を受ける必要がありますので、記載漏れ等がないように注意する必要があります。
申立てをするにあたり,最初に何をしたらよいのですか?
「本人情報シート」を福祉関係者(ケアマネジャー,ケースワーカーなど)に作成してもらってください。
その後,家庭裁判所指定の「診断書(成年後見制度用)」を,主治医に作成してもらってください。
主治医が精神科の医師でなくても構いません。
その際,作成された「本人情報シート」を渡すとともに,家庭裁判所から「精神鑑定」の依頼があったら引き受けてもらえるかどうかを「鑑定連絡票」に記入してもらってください。
成年後見人等に選任されたら,具体的にはどのような仕事を行うのですか。
まずは,本人の財産の状況を明らかにし,本人の預貯金,有価証券,不動産,保険などの内容を一覧表にした「財産目録」を作成し,家庭裁判所に提出します。
また,本人の生活のための費用を本人の財産から計画的に支出するため,本人の収入,医療費や税金などの決まった支出を把握して収支の予定を立て,「本人予算収支表」を作成します。
日常の財産管理においては,本人の預金通帳などを管理,保管し,本人の財産からの支出を金銭出納帳に記載し,領収書を一緒に保管しておき,その使途を明確にしておく必要があります。
また,必要に応じて,介護サービスの利用契約や,施設への入所契約などを,本人に代わって行います。
そして,家庭裁判所又は監督人から求めがあれば,成年後見人等は,財産目録,本人予算収支表に通帳コピー等の財産資料を添付して,家庭裁判所又は監督人に財産管理状況を報告します。
仕事は,いつまで続くのですか?
本人が死亡又は本人の能力が回復するまで続きます。
申立てのきっかけとなった,例えば「保険金を受け取る」とか,「遺産分割をする」といった手続きが終了したとしても成年後見人等の仕事が終わるわけではありません。
また,成年後見人等の仕事をしている間は,家庭裁判所による後見監督を受けます。
よって,家庭裁判所からの求めがあれば,成年後見人等は家庭裁判所に対して後見等事務の報告をする必要があります。本人の財産を使い込む等,不適切な後見等事務をしたことが確認された場合,その内容の程度によっては,後見人等を解任され,損害賠償,業務上横領等の民事上,刑事上の責任を問われる場合がありますので御注意ください。